2014-09-02 SHCP RCG Anexo 17..pdf 2014-09-02 SHCP RCG Anexo 17..pdf
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NAFTA 再交渉の第 4ラウンドだそうです。

October 14, 2017
NAFTA 再交渉の第 4ラウンドが始まりました。焦点は矢張り自動車産業の原産地規則だそうです。


で、今朝(この記事を書いているのは 1014日の土曜日です)のニュースで言っていましたが、米国側は完成車の RVC、つまり Regional Value Content を現行の 62.5% から 80% とか 85% に引き上げる提案をしたとか。聞き間違いかも知れませんが、80% だったとしても大変な数字です。「げ。正気の沙汰か?」と思いました。

びっくり、と言うか少々ショックだっのですが、少し落ち着いたら「結局トランプと言う人はアホなのだな」と改めて納得しました。

だってそうでしょう。米国の意図は「米国製の原材料、つまり鉄板だのアルミだの素材、また、米国製の部品をもっと使え」と言う事です。

ところが、このように RVC を引き上げて果たして米国製の原材料や部品が使われるようになるでしょうか。

完成車メーカーの立場に立って考えると下記のようになるのではないかと思っています。
ステップ 1:急いで達成出来るかサプライヤーを皆呼び集めて協議・検討する。
ステップ 2:結論として、85% もの RVC を達成しようとすると製造コストがバカ高くなってしまう事が判る。
ステップ 3RVC を達成出来ないと諦める。

さて、RVC を達成出来ないと諦めた場合どうなるのでしょうか。

結果は、「非 NAFTA 産品」、つまり「非原産品」として輸入関税を支払えば良い、と言う結論に至るということです。

元々米国の完成車の輸入関税はそれほど高くありません。念の為現行のタリフをチェックしましたが、一般的な乗用車である、関税番号 87032301(点火プラグで点火する・・・つまりディーゼルではない、旅客を輸送するための車両でシリンダー容量が 1,500 cc を超過し、但し 3,000cc 以下のもの)に該当する関税率は 2.5% となっています。

例えば、無理やりメキシコ製、カナダ製、或いは米国製の原材料や部品を購入し RVC を達成し車を作った場合その製造コストが 10% アップするとしたら、「なんだ。メキシコ製の完成車でも原産地規則をクリアーせずに『非原産品』として 2.5% の関税を支払ったほうが安いや」と言う事になります。

いえいえ。10% と言う大きいコストアップではなく、たといそれが 2.7% 程度のコストアップでも 2.5% と比べたら関税率の方が安い、と言う事になりますね。

となると、完成車メーカーも Tear 1 自動車部品サプライヤーに対し「もう原産地規則はクリアーしないで良いよ」と言うでしょうし、Tear 1 サプライヤーも同様に Tear 2 に対し同じことを言い、数珠つなぎで Tear 2 から Tear 3 へ、Tear 3 から Tear 4 へ、とどんどん原産地規則を忘れて良い、と言う指示が広がるでしょう。

すると、結果として何が起こるでしょうか。

当然の事ながら、完成車メーカーも全ての自動車部品メーカーも「なんだ。もう原産地規則は無視して良いのか。じゃぁ、これから世界中から自由に我々が必要とする部品や原材料を輸入してモノを作れるな」と言う事になります。

小生がこれら自動車部品メーカーの社長の立場だったら必ずそう考えるでしょう(その辺のビジネスに携わる人達の考え方をトランプさんはちゃんと把握しているのでしょうかね)。

結果として、寧ろ「自動車産業の NAFTA 離れ、引いては米国産品離れ」が進む、と言う事です。

米国産の原材料や部品を使って欲しい米国政府の意向が皮肉にもこのような結果を招きかねないと小生は思っています。

しかしそれだけでは終りません。

これと並行して、これまで多くのメキシコ製の完成車を輸入して来た米国ですが、これは NAFTA があるからであり、「メキシコで作られた車だけれど RVC を達成出来ていないので、他国で製造された完成車と同様一般関税率を支払わなければならない」と言う事になったら、つまるところ、これらメキシコ製完成車は他国で製造された完成車と「同じ土俵で競争しなければならない」と言う事になります。

つまり、中国製や韓国製、或いはブラジル製などの完成車が米国で幅を利かせるようになるであろう、と言う事です。

結果的に NAFTA 圏内の自動車産業は衰退し、米国製の部品や原材料を使って欲しいと米国政府が期待していたにも関わらず産業自体が衰退してしまえばそれら原材料や部品の需要も伸び悩んでしまう、と言う結果になる可能性があります。

更に悪影響を言えば、矢張り米国民が困るであろう、と言う事ですね。

これまで安くて品質の良いメキシコ製の完成車が大量に輸入されていたが、同じメキシコ製でも関税分が高くなり、では中国製のほうが安い、と言っても品質に問題がある、と言う事で、結局はインフレも進むし自由に欲しいものが手に入らない、と言うこれまでブラジルなど保護政策を講じて来た国と同じように一般大衆が苦しまなければならない状況に陥る可能性があります。

因みにメキシコはブラジルと ACE 55 と言う自動車産業を対象とした経済補完協定(一種の特恵関税協定)があるので、メキシコでもブラジル製の完成車は売られていますが、どうもこれらの乗用車を使った事がある人に言わせると、「ブラジル製はダメ。故障が多く、故障をディーラーにクレームして直して貰うが、何回クレームしてもちゃんと直らない」と言う事です。

とまぁ、これらの点を色々考えると、「矢張りトランプさんはアホだな」と思わざるをえない、と言う事です。








 

新春セミナー:メキシコでの輸入通関に商品購入の契約書が必要になる?

January 8, 2017
皆様明けましてお目出度う御座います。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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小生の個人的な事情はと言えば、こちらも 1月末で長年パートナー(兼スタッフ)であったメキシコ人の某氏が Jetrac から離れ、個人で事業を始めるとかで、今後 Jetrac...
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H グループのあの会社が IMMEX キャンセル!?

September 30, 2016
と言う訳で、また久々のブログ記事です。

で、今回は IMMEX、しかも登録キャンセルに関してです。

御存知の通り、IMMEX 企業には毎年レポートを書け、と言う義務があり、これは毎年 5月末日までに提出せよ、と言う事になっていますね。

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非居住者の在庫

February 6, 2016
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で、今回は非居住者在庫がテーマです。

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マイナンバー制度とメキシコでの輸入通関

January 12, 2016
同じ「マイナンバー制度とメキシコでの輸入通関」と言うタイトルで昨年(2015年)末にブログ記事を書きましたが、その後種々確認したところ、どうも適切ではない、或いは正確ではない表現、記述があったようなので、その続きの記事とともに取り下げ、この記事を新たに書いています。

以前の記事をお読みになった方々には誤解をお招きしたかと思いますので平に...
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米国西海岸のストで問題?メキシコでトランジットしましょう!

February 19, 2015
お知らせとお詫び:大変申し訳ありません。記事の内容に不確かな点があったため、書き直しました。既にお読みになった方、下記の修正版をお読み下さい。

2015年もはや 2月半ばになってしまいました。最近かなり忙しくてやりきれないです。年が明けた頃は、ゆるゆるとしたスピードで仕事ができたので「今年はこんな調子で過ごせるのかな?」などとのんきに構え...

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速報!2014年版貿易細則発表! - IMMEX 企業に朗報??

August 29, 2014
本日(2014年 8月 29日)、メキシコの通関法(Ley Aduanera)にぶら下がる『2014年版貿易細則』が官報にて発表されたので、お伝えしたいと思います。

昔は、4月末とかに発表されていたのですが、ここ数年は毎年 8月末に発表されているので、まぁ、オンタイムと言う事でしょうか。

若し、原文をご覧になりたい方がいらしたら、下記のページの下の方にリンクがあるので、...
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Nuevo Laredo で通関システムがダウンすると・・・

August 11, 2014
こんなになっちゃうのだそうです。

これらはEl Mañana de Nuevo  Laredo と言う新聞からとったものです。



それにしても長い列ですね。なんでも、列の長さが 10km に及んだとか(!)。



ちょっと分かりにくいですが、本来、中央分離帯の右側があっち向きに走る道、その左側がこっち向きにはりる向きの道ですが、ご覧のとおり、ピックアップトラックは向こうを向いて走って...
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何故会食費は 8.5% までしか損金算入出来ないの?

March 13, 2014
今回は貿易とは関係のない話ですが、レストラン等で食事すると、それらの会食費(接待費用と言っても良いと思いますが)の内、91.5% は損金算入出来ない、と言う、メキシコでビジネスをしている方々は既にご存知の話をしたいと思います。

最近、税制改革が行われた為、会計事務所などのセミナーが盛んに行われ、その中でもこのパーセンテージが変わった、と言...
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IMMEX と IVA とタックスクレジット認定制度

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伊藤 特に日系企業をお客様とし、貿易・物流・税関関連のコンサルタントをしています。

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