と言う訳で、また久々のブログ記事です。

で、今回は IMMEX、しかも登録キャンセルに関してです。

御存知の通り、IMMEX 企業には毎年レポートを書け、と言う義務があり、これは毎年 5月末日までに提出せよ、と言う事になっていますね。

そして、若しこの期限までに提出されない場合にはプログラムがサスペンドとなり、しかも 8月末まで待っても提出されない場合は、プログラムがキャンセルされてしまいます。

夫々 IMMEX がサスペンドされた企業のリストは 6月末頃に官報で発表され(今年は 6月 21日に発表されています)、キャンセルされた企業のリストは 9月末頃に発表されます。

今年は、このキャンセルされた企業のリストは 9月 27日に発表されたのですが、実はある結構有名な企業名が出ていました。

公表してしまって良いのかな?とは思いますが、まぁ、既に官報で発表されており、「周知の事実」或いは「公的な知識」となっているので、名前を明かしてしまうと Hitachi Automotive Systems México と言う会社で、当然日立オートモティブシステムズのメキシコ現地法人と言う事になります。

また、毎年のレポートを提出しなかった為にキャンセルされた企業であれば、官報の公示の最初のリストに載っているのですが、同社の場合は 2番目のリストに載っており、このリストは何かというと、IMMEX 法令第 11条第 III 項の義務を満たさなかった事が理由でキャンセルされた企業となっています。

では、IMMEX 法令第 11条第 III 項の義務とは何でしょう。

第 11条は、経済省は下記の要項を満たしている企業に対してプログラムを承認する、と規定しており、その第 I 項は申請書に関して規定しており、第 II 条は、申請書に添付する書類を規定しています。

では、同条の第 III 項は何を言っているかと言うと、a)、b) 及び c) と更に細かく分かれており、これらを満たしていなければいけないとしています。その中で、a) は電子署名(例の FIEL と言うやつですね)、b) はアクティブな納税者登録(RFC)、そして c) が ”Que su domicilio fiscal y los domicilios en los que realice sus operaciones al amparo del Programa, estén inscritos y activos en el Registro Federal de Contribuyentes." となっています。つまり、「納税者登録住所及びプログラムをベースにしたオペレーションを行う住所が納税者登録に登録され、アクティブである事」となっています。

御存知の通り、電子署名がないとか納税者登録住所がアクティブでない、と言うケースは考えにくいので、この c) に関連する違反があったのではないかと想像出来ます。

IMMEX の申請を行う際に若し納税者登録住所と工場住所(IMMEX プログラムのオペレーションを行うサイト、若しくは現場住所)が異なる場合には、IMMEX 登録申請を行う前に先ず納税者登録に紐付け、工場住所を新規の事業所(工場、支店など)として登録しておかなければなりません。

日立オートモーティブシステムズの現地法人がこの事を知らなかったのかどうか判りませんが、工場住所を登録していなかったのかも知れません。

因みに、最近まで同社のメキシコ現地法人は 2社あり、これが Hitachi Auitomotive Systems Mexico に統合されたそうです。詳しくは下記のサイトをご参照下さい。

http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2015/09/0911a.html

最初は、統合により社名がなくなってしまう方の会社であろうと考えました。要は、社名が消えてなくなるので、IMMEX がキャンセルされても問題はない訳です。

ところが良く見ると、キャンセル IMMEX のリストに載っている社名は統合後の社名です。で、「本当かな?ひょっとしてやばいんではないのかな?」と思った次第です。

ひょっとしたら二つの会社の統合プロセスで忙しく、どこかの新しい工場住所を納税者登録に紐付けて登録する事を忘れて一時輸入商品を持ち込んでしまったのですかね??

まぁ、政府としては IMMEX 企業が少ない方が良い(勿論、すぐにやめてしまうと雇用の喪失とかマイナスの影響が大きいのでやりませんが)、と言う面もあるので、一生懸命あら捜ししているのでしょう。