さてさて。大分このブログも放置していましたが、また少しづつ記事をアップしていきたいと思っています。
で、今回は非居住者在庫がテーマです。
あるお客さんからお問い合わせがあり、その中で、どこかのサイトでは、メキシコ国内の誰かを代理人として仕立てないとメキシコで輸入通関が出来ないので非居住者在庫は無理、と言うような事が書いてあったとか。
そうなのでしょうか。サービス IMMEX を使ったら出来ますね。この場合は、サービス IMMEX を持った企業が輸入者になり、輸入や未払いの関税に就き責任をもつけれど、所有権は海外企業が持ったまま、と言うスキームになります。
元々
のマキラドーラでも、日本からの電子部品などの船積みにおける Invoice が ”Sold to
XXXXX"(米国子会社)であり、”Delivered to(若しくは Consigned
to)YYYYY"(メキシコのマキラドーラ登録をしている孫会社)と言う形が一般的でした。つまり、IMMEX
を持つことにより、自分の所有物ではない商品を輸入出来る、と言う事です(少なくとも小生が知る限り、通常の確定輸入でも自分の所有物でない商品を輸入し
てはいけない、と言うふうに禁じられてはいない筈です。但し、このような場合、Permanent Establishment
など非常にややこしい税務上の問題が発生してしまいます)。
さて、では、サービス IMMEX が唯一の非居住者在庫の方法でしょうか。実はもう一つあります。これは保税を使う、と言う事です。
アメリカなり日本の企業がメキシコの保税倉庫会社(もっと正確に言えば、保税を許された、倉荷証券を発行出来る大蔵省認定倉庫会社)と直接に契約すれば、なんと、海外の企業の名義で輸入通関が出来てしまいます。
と、
こう書くと、「え?メキシコでは輸入業者登録をしなければならず、その為には納税者登録、つまり RFC
の取得が必須であり、海外の個人や法人はメキシコの納税者登録がないので輸入者登録が出来ない筈ですよね?第一、RFC 番号もないのにどうやって
pedimento を作れるのでしょう?」と言う質問が聞こえて来そうです。
実は、RFC ナンバーはジェネリックなものがあり、納税者登録をしていない場合はこのジェネリックな番号を使え、と言う規定があるのです。
ジェ
ネリックな RFC
ナンバーと言ってもケースによって色いろあるようですが、非居住者が保税でメキシコ国内に輸入する(実際には、契約相手の保税倉庫会社が通関業者を使って非居住者の名義で通関する訳ですが)場合は " EXTR920901TS4" を使え、と言う事になるようです。
この場合は、誰が未払いの税金に就いて
責任を持つかと言うと当然保税倉庫会社です。大蔵省認定倉庫会社と言うのは、先に述べたように倉荷証券を発行出来ます。そして倉荷証券は銀行に持ち込んで
換金が可能な有価証券です。つまり、大蔵省認定倉庫会社というものは、準金融機関なのですね。
要は、金貸し業と似ているが、金を直接貸すのではなく、未払いの税金分を言わば貸してあげてるんだよ、そして、その担保として貴方の商品を押さえておくよ。若し貴方がとんずらしたりしたら、保管して
いる商品を競売にかけ、受け取るお金で未払い分の税金の支払いに充てるよ、と言う事です。
と言う訳で、メキシコで納税者登録がない海外の企業でもこのようなやり方でメキシコ国内で商品在庫を持つことが出来る、と言うお話でした。
In : メキシコ通関
Tags:
非居住者在庫 保税 "サービス immex"