同じ「マイナンバー制度とメキシコでの輸入通関」と言うタイトルで昨年(2015年)末にブログ記事を書きましたが、その後種々確認したところ、どうも適切ではない、或いは正確ではない表現、記述があったようなので、その続きの記事とともに取り下げ、この記事を新たに書いています。

以前の記事をお読みになった方々には誤解をお招きしたかと思いますので平にお詫び申し上げます。

さて、そのマイナンバー制度ですが、日本国内での制度にもかかわらず、メキシコでの輸入通関に関連します、と言うか、影響がありそうです。

以前の記事では、これは必ずやメキシコ政府にとっては、Tax ID Number と考慮されるだろうから、通関法や貿易細則の規定により、「輸入の場合、海外の輸出者の Tax ID Number を申告すること」と言う義務に引っかかり、今後マイナンバー、法人の場合は法人番号を申告しなければならなくなる、と言う趣旨で書きましたが、今まさにこれからメキシコ大蔵省と日本大使館の間で競技される、と言うような情報を得ました。

小生の記憶に間違いがなければマイナンバー法は 2013年辺りに発効しており、ただ、夫々の法人や個人がマイナンバー(法人の場合は法人番号)が振り分けられ、実際に使用されるのは 2016年になってから、と言う事で、それまでは準備期間であったと思うので、「何故いまさら?」という気がしないでもないです。

因みに、ややこしい、と言うかクリアーすべき問題としては、例えば、個人のマイナンバーは、法人番号と違い、誰でも使って良いものではなく、個人情報の一部のような扱いであり、人に漏らしてはいけないものと言う事のようです。となると、日本の個人業者がメキシコに何かの商品を輸出する場合、メキシコの客先に対してはこの輸出者は自分のマイナンバーを知らしめて良いものか、と言う問題が発生するようです。

また、法人の場合、法人番号という、マイナンバーよりも一桁多い桁数のナンバーが宛てがわれますが、マイナンバー法によれば、組合などの組織は法人番号を与えられない、と言う事で、このような法人番号がない組織がメキシコに対して何かを輸出する場合にどうするか、と言う事もあるようです。

と言う訳で、大蔵省に聞いてみても(口頭で問い合わせたので正式な見解とは言えませんが)、今のところメキシコ国内で法改正があったわけではないので、混乱を避けるために今までどおり「日本には納税者登録番号なる制度がありません」と言うレターで輸入通関すれば良い、と割りとあっさりした回答がありました。

小生などは、貿易細則の中で、「その他の国は、自国の制度により、納税する際に輸出者を identify する番号を記載せよ」と書かれており、これに引っ掛かるように思いますが、それでも問題はなさそうです。

ところで、ある日系の会社は、「今までどおり管轄である XX 税務署に登録されているナンバーを使う」との事でしたが、これは明らかに違いますね。これまでは、このように所轄の税務署に登録された番号を使用するのではなく、上記の日本には納税者登録番号制度がない、と言うレターで、輸入通関申告書の該当欄を空白、若しくは "S/N”(Sin Numero の略で、要は「番号なし」と言う意味)にしなければいけなかった筈です。

若しまた進展があれば、またお伝えしたいと思いますが、取り敢えずはこれまで通りの通関の仕方で良さそう、と言う事でしょう。