さてさて。大分間が開いてしまいました(いつもの事だろ?とかツッコミは不要ですんで)。

あ、でもその間例の福島の原発の問題に就いては別のブログで感想と言うか、思うところを記事にしていますんで、ご興味がおありの方はそちらを・・・。タイトルは、「日本の原発…大丈夫?」と言うものでして。

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で、こちらのブログで今回の記事は、電気分解に就いて。と言っても、難しい化学の話をするつもりはありません。だって、高校時代の小生の化学の成績と言ったら・・・思い出すにもおぞましいと言いますか。

そうではなく、日本では小学生でも学校で実験とかやって知っているよ、と言う『水の電気分解』のお話。

実は、先日あるメキシコ人と話している時にこの話が出まして。で、小生が「メキシコの小学校では水に電極を入れて何の成分が気体で出て来るか、と言う実験をやらないの?」と聞いたらやらなかった、との事です。

「でも、水に電極を入れて電流を通すと気体が出て来る、と言う事は知識としてあるよね?何の気体か知っているよね?」と聞くと、なんと!!!「判らない」との事。ホント、びっくりしました。

その辺の八百屋のオヤジではないですよ。れっきとした大学を出た 40代のおじさんです。尤も、理工系ではなく、会計の勉強をした人ですが。

それでも、日本であれば(それこそ八百屋さんのおじさんでも会計士のおっさんでも)大体 ”常識として”、「水を電気分解したら水素と酸素に分かれるぞ。そんな事は子供でも知っているぞ」と言うと思いますよ。(そうですよね?)

ところが、メキシコではこんな大の大人で(一見?)教養もある人が知らないのです。もう、がっくり来ましたよ。

そして、つまるところ、メキシコではやっぱり小学校や中学校の、要は基本になる教育と言うのがしっかりなされていないなぁ、と言う事でしょう。

それで思い出しましたが、メキシコ人の大の大人でも算数の問題が解けない人がいますよ。これは、以前に日系商社に勤めていた頃の話ですが、あるメキシコ人のスタッフに「X 時間の Y パーセントって何時間か判る?」と言うような質問をしたら、色々計算して結局判らなかったんですね。具体的には質問の内容を覚えていませんが、例えば「 2時間半(2時間 30分)の 70% は何時間何分か」と言うような、まぁ、日本であれば小学生でも解けるであろう問題です。

ある日系企業では、新しいスタッフの採用試験の中に小学校や中学校で出て来る算数及び簡単な数学の問題を取り入れたい、と言う事で小生が協力した事があります。矢張り多少なりとも数学が出来る人と言うのは理論的な考え方が出来る人であろう、とその会社の社長さんは見通ししていたのですね。小生も全く同感です。

特にメキシコ人は(算数及び数学の分野では)分数とか割合、パーセンテージと言うようなものが判っていない人が多いように思われます。

勿論、「パーセンテージ」とか「パーセント」と言う言葉は知っているし、日常使っています。でも、本当に理解して使っているかと言うとそうではない(笑)。

例えば、「これこれは何パーセントの上昇だ」と言うメキシコ人がいるでしょう。コンセプトは売り上げでも利益でも良いです。ところがそういっている人に、「何を 100% としているの?」と聞くと、答えに詰まってしまう時がしばしばあります。要は、「去年の利益を 100として、何パーセント上昇する」など、「パーセントと言うものはある数字を 100(100%)と見立てて初めて意味があるものだ」と言う基本的な理解がなっていないんですよね。

或いは、そのような時系列の変化でなくとも良いです。例えば、メキシコ人は軽々しく、と言うか平気で「この作物は何パーセントです」とか言う訳です。「何を 100% としてとった場合」などの注釈を入れずに。

小生も上記の日系のお客様向けとは別に算数と言うか数学の試験問題を作成した事があり、その中のひとつの問題が面白いので、ご紹介しましょう。スペイン語ですが。

Un gerente, dos subgerentes y tres secretarias fueron a comer, y la cuenta total incluyendo la propina fue de MN$604.00. Decidieron pagar de la siguiente manera: que el gerente pagara un 50% más de lo que pagaría un subgerente, y cada subgerente, 30% más de lo que pagaría una secretaria. ¿Cuánto pagó cada uno de su categoría?


日本語に訳すと、「あるマネージャーがアシスタントマネージャー 2人と秘書 3人と食事をしたところ、会計は全員で 604 ペソでした。これを以下のように分ける事にしました:マネージャーはアシスタントマネージャー一人当たりの支払う金額の 50% 増し、また、アシスタントマネージャーは秘書一人頭が支払う金額の 30% 増しである事。さて、夫々のポストの人が一人づつ支払った金額はいくらでしょう?

まぁ、これはさすがに小学生では無理かと思います。算数ではなく、数学の一部である代数を使わないと解けないと思いますから。

でも、この問題をメキシコ人で解けた、と言う人をまだ知りません。勿論知っている人全てに問題を出している訳ではありませんが、少なくとも小生が物流会社で社長をやっている時代にこの試験を新スタッフ募集の際の採用試験に取り入れたら出来ない人だらけでしたよ。

お暇な方は計算して下さいね・・・。あ、それと、若しこの記事をメキシコに住んでいる日本人の方が読んでらっしゃるのであれば、上の数学の問題を近くのメキシコ人に解かせてみて下さい。さてさて。ちゃんと x を使った方程式を使って解ける人が何人いるか・・・。

その際には是非結果をお教え下さいね(笑)。例えば、モンテレーに住んでいるメキシコ人では、10人中 3人解けた、と言うようなデータが出て来れば、「ひょっとしたらモンテレー辺りの中学校ではしっかり数学教育しているのかも」と言う事が判って来ると思います。

ではでは~。