スペインではスペイン語が話されます、・・・って、これは誰でも知っているでしょう。

それと、昔スペインに占領され、植民地であった国々、特にラテンアメリカの諸国ではスペイン語を話すところが多いですね。北はメキシコから南はアルゼンチンまでスペイン語が話されます。

スペイン語を話さない国は、ブラジルとベリーズくらいじゃないですか?尤も、アンティージャ諸島の国々では、英語を話すところもいくつかあるようですが。

さて、そのスペイン語なんですが、メキシコに住んでいてメキシコ人と話すと「カスティージャ語」と言う言葉を耳にします。ある程度教養がある人は特に、「我々の話す言葉はスペイン語ではなく、カスティージャ語だよ」などと言います。スペイン語(カスティージャ語?)で書くと、"El idioma que hablamos no es español, sino castellano"と言う具合です。

どうしてなんだろう?スペインで使われている言葉がスペイン語なので、メキシコでもスペイン語ではないの?と思い、言語学を勉強している人(この人もメキシコ人)に聞いてみました。

この人曰く、「カスティージャ語と言うのは、カスティージャ地方の言葉であり、一地方の言葉に過ぎないので、矢張り『スペイン語』と表現する方が正しい」との事でした。

どうやら、「日本語」と言うのと、「東京弁」と言うのに近いようです。つまり、日本では日本語が話される、と言う言い方が正しい訳で、その表現の殆どが東京弁と一緒だからと言って、「我々日本人は東京弁を話します」と言う事は言えない訳です。

これで一応すっきりしました。要は、メキシコ人の中に「我々はカスティージャ語を話すよ」と言う人がいたら、「それは違うよ」と指摘してやる事が出来る様になった訳です。(なんとなく優越的な気分)。

ところが、ある日の事、へんな事を思い付いてネットで調査を開始しました。と言っても、大した調査ではありませんが。つまり、本場本元のスペインでは「何語を話しているのか?」と言う事。全く話している言葉自体は同じでも、「スペイン語を話している、と言う認識なのか、それともカスティージャ語を話していると認識しているのか」と言う事です。

そして、チェックしたのはスペイン憲法。で、そこにどう書いてあるかと言うと、な、なんと!「我々の国語はカスティージャ語である」とはっきり書いてあるじゃないですかー。

うーん。そうすると、スペイン人はスペイン語を話さずカスティージャ語を話し、メキシコ人はスペイン語を話すのかぁ。ちょっとややこしいな、と思いました。

でも、その後考えが少し変わりましたね。要は、言語なんてそんなにカッチリしたものではないので、どっちでも良いじゃん?と言う感じです。

強いて言えば、「法律上は、スペインではカスティージャ語が話される事になっているが、言語学上の観点から言えば、スペインやメキシコで話される言葉はスペイン語です」と言う事でしょう。

多くのモノが同じものであっても、ひとつの観点からと別の観点からでは別のものになってしまう、と言う事はありますよね。この「スペイン語なのかカスティージャ語なのか」と言う問題もそれと同じで、「異なった観点から見れば別の答えがあるよ」と言う事かも知れません。